効果提案の構成
顧客の課題の大半は気づいていない、気づいているが明確でない、優先順位が低いという潜在課題です。この潜在課題に対して受注を獲得するためには、課題と解決策による効果を理解させる必要がります。ここでは、その課題と解決策による効果を理解させ、商品の購入を検討させる(課題解決を検討させる)ための効果提案の構成や作成方法を説明します。
効果提案の全体像
【解説】
営業活動で受注を獲得するためには、顧客に対して2つの提案が必要である。
・課題解決を検討させるための提案
・商品の選択および購入決定を調整させるための提案
『効果提案』とはこのうちの課題解決の検討をさせるための提案である。
つまり、『効果提案』の目的は課題と解決策を訴求し商品購入を検討させることである。
※課題解決策にあたる商品の具体的理解、選択は
・「商品の選択および購入決定を調整させるための提案」
顧客に課題解決を検討させるためには、上図右上の4つを理解させなければならない。
顧客はこの4つがあってはじめて課題解決(商品の購入)を検討する。
・課題を理解させる
・課題を解決する必要性があることを理解させる
・解決できる可能性があることを理解させる
・課題解決による効果(メリット)を理解させる
この4つのうち1つでも欠けている、明確でないと顧客は課題解決を検討しない。
たとえば、タブレットの購入に対して、
・営業社員は外出が多く新商品のレクチャーをする時間に苦労している(課題)
・タブレットを使えば、外出中でもレクチャーできる(解決できる可能性)
この2つだけ理解していても、
「新商品のレクチャーをすぐにしないといけない理由」を理解していなければ、
課題解決であるタブレットの購入を検討しない。
上記2つに加えて、
・新商品のレクチャーをできない営業社員が増え新商品の提案ができない(解決する必要性)
・新商品投入後すぐに全営業社員が顧客へ提案でき、新商品の売上UPが実現(効果)
この2つを理解すると顧客は課題解決である商品の購入を検討する。
そのため、顧客に課題解決を検討させる目的である『効果提案』で理解させなくてはならないものは
この4つである。
この4つを理解させるための情報が、上図中段右の
『課題の5段構造、ESLPIプロセス』と『商品価値の基本構造(機能・用途・効果)』である。
「課題を理解させる」情報
・・『課題の5段構造』の背景、現状、原因、課題
・・=『ESLPIプロセス』の
・・・・・「Environment (市場環境や競合)」
・・・・・「Structure (事業や組織の構造、戦略や計画)」
・・・・・「Lower Situation(業務や連携、管理方法、商品や各種施策内容)」
・・・・・「Problem(解決すべき問題)」
※営業の教科書「課題発掘のプロセス」参照
「課題を解決する必要性があることを理解させる」情報
・・『課題の5段構造』の影響
・・=『ESLPIプロセス』の「Implication(戦略や計画、事業遂行に対する悪影響)」
※営業の教科書「課題発掘のプロセス」参照
「解決できる可能性があることを理解させる」情報
・・顧客の課題に対する『商品価値の基本構造』の機能、用途
※営業の教科書「提案内容の検討」参照
「課題解決による効果(メリット)を理解させる」情報
・・『商品価値の基本構造』の効果(=『課題の5段構造』の影響の解消)
※営業の教科書「提案内容の検討」参照
課題解決を検討させるための『効果提案』とは、これらの情報をまとめ理解させる提案である。
営業活動で受注を獲得するためには、顧客に対して2つの提案が必要である。
・課題解決を検討させるための提案
・商品の選択および購入決定を調整させるための提案
『効果提案』とはこのうちの課題解決の検討をさせるための提案である。
つまり、『効果提案』の目的は課題と解決策を訴求し商品購入を検討させることである。
※課題解決策にあたる商品の具体的理解、選択は
・「商品の選択および購入決定を調整させるための提案」
顧客に課題解決を検討させるためには、上図右上の4つを理解させなければならない。
顧客はこの4つがあってはじめて課題解決(商品の購入)を検討する。
・課題を理解させる
・課題を解決する必要性があることを理解させる
・解決できる可能性があることを理解させる
・課題解決による効果(メリット)を理解させる
この4つのうち1つでも欠けている、明確でないと顧客は課題解決を検討しない。
たとえば、タブレットの購入に対して、
・営業社員は外出が多く新商品のレクチャーをする時間に苦労している(課題)
・タブレットを使えば、外出中でもレクチャーできる(解決できる可能性)
この2つだけ理解していても、
「新商品のレクチャーをすぐにしないといけない理由」を理解していなければ、
課題解決であるタブレットの購入を検討しない。
上記2つに加えて、
・新商品のレクチャーをできない営業社員が増え新商品の提案ができない(解決する必要性)
・新商品投入後すぐに全営業社員が顧客へ提案でき、新商品の売上UPが実現(効果)
この2つを理解すると顧客は課題解決である商品の購入を検討する。
そのため、顧客に課題解決を検討させる目的である『効果提案』で理解させなくてはならないものは
この4つである。
この4つを理解させるための情報が、上図中段右の
『課題の5段構造、ESLPIプロセス』と『商品価値の基本構造(機能・用途・効果)』である。
「課題を理解させる」情報
・・『課題の5段構造』の背景、現状、原因、課題
・・=『ESLPIプロセス』の
・・・・・「Environment (市場環境や競合)」
・・・・・「Structure (事業や組織の構造、戦略や計画)」
・・・・・「Lower Situation(業務や連携、管理方法、商品や各種施策内容)」
・・・・・「Problem(解決すべき問題)」
※営業の教科書「課題発掘のプロセス」参照
「課題を解決する必要性があることを理解させる」情報
・・『課題の5段構造』の影響
・・=『ESLPIプロセス』の「Implication(戦略や計画、事業遂行に対する悪影響)」
※営業の教科書「課題発掘のプロセス」参照
「解決できる可能性があることを理解させる」情報
・・顧客の課題に対する『商品価値の基本構造』の機能、用途
※営業の教科書「提案内容の検討」参照
「課題解決による効果(メリット)を理解させる」情報
・・『商品価値の基本構造』の効果(=『課題の5段構造』の影響の解消)
※営業の教科書「提案内容の検討」参照
課題解決を検討させるための『効果提案』とは、これらの情報をまとめ理解させる提案である。
効果提案の流れ
【解説】
前述のとおり『効果提案』は、
『課題の5段構造、ESLPIプロセス』と『商品価値の基本構造(機能・用途・効果)』の情報により、
「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」を理解させる提案である。
この提案により上記4つを理解させる方法は以下の通り。
「Environment」「Structure」「Lower Situation」により
「課題(Problem)」を理解させる。
「課題(Problem)」に対して
「Implication(解決する必要性)」を理解させる。
「課題(Problem)」に対して
「機能・用途(解決策)」を理解させる。
「機能・用途(解決策)」に対して
「効果(課題解決による効果)」を理解させる。
つまり、『効果提案』の流れは、
①「Environment」→「Structure」→「Lower Situation」→「課題(Problem)」
②「課題(Problem)」→「Implication(解決する必要性)」
③「課題(Problem)」に対する「機能・用途(解決策)」
④「機能・用途(解決策)」に対する「効果(課題解決による効果)」
そして、一番初めに、結論であるこの提案より実現したいことである
「What to Sell(顧客に提供する価値)」を入れる。
つまり、提案のテーマ、目的に「What to Sell(顧客に提供する価値)」を入れる。
たとえば、前述のタブレットの例では、
はじめのテーマは、「What to Sell(顧客に提供する価値)」である
「広域営業に対する新商品の早期提案促進」という課題に対して
「タブレット端末による外出時の商品知識習得環境」により
「新商品の提案スピードの向上からシェアの拡大の実現」
をもとに作成。
※上記「What to Sell(顧客に提供する価値)」を端的かつわかりやすく表現
そして、提案内容は以下の流れで作成。
①-(1) 商品のライフサイクルが早い、競争が激しい(Environment)
・-(2) 営業は広域の顧客を担当、売上UPには新商品の提案が不可欠(Structure)
・-(3) 営業はほとんど外出で社内にいない、新商品のレクチャーができない(Lower Situation)
・-(4) 外出時に新商品知識をつけられる環境(課題(Problem))
②上記①-(4)に対し、新商品の知識習得が遅れると顧客への提案が遅れ、競合他社にシェアを奪われる
・(Implication)
③上記①-(4)に対し、タブレット端末で・・・
・・・・新商品の説明資料を動画で配信
・・・・商品企画がリアルタイムに質問・相談を受ける窓口を設置
・・・・営業がすぐに新商品知識をつける(用途)
④上記③によって・・・
・・・・新商品リリース後すぐに顧客への提案を進められる
・・・・競合より先行して新商品の拡販を進めシェアを獲得できる(効果)
このように、
「Environment」「Structure」「Lower Situation」から「課題(Problem)」を理解させ
「課題(Problem)」に対して「Implication(解決する必要性)」を理解させ
「課題(Problem)」に対して「機能・用途(解決策)」を理解させ
「機能・用途(解決策)」に対して「効果(課題解決による効果)」を理解させる
という流れで『効果提案』を作成し提案することで顧客に課題解決を検討させることができる。
【実践するためのPOINT】
●『効果提案』を作成する順番は以下の通り。
・・・①提案内容と提案の全体像を検討「何を提案するか」
・・・②提案の流れを検討「提案書のページの順番」※前述のタブレットの提案の流れ
・・・③それぞれのページに必要な情報を収集
・・・④提案書を作成(個別ページの作成)
・・・※いきなり個別ページの作成から提案書を作成するケースが多く見受けられるが、
・・・・この場合、落としどころ(目的)がぼやけ、提案内容がずれてしまうことがある。
●それぞれの情報は顧客に合わせて極力具体的に表現する。
・・・顧客の商品名や組織・拠点名、数量・件数、業務内容など具体的な言葉・情報を入れる。
・・・※抽象的な表現や一般論は顧客にとって単なる参考情報にしかならず、課題や解決する必要性などを
・・・・理解させる提案にはならない。(顧客にとっては他人事になってしまう)
前述のとおり『効果提案』は、
『課題の5段構造、ESLPIプロセス』と『商品価値の基本構造(機能・用途・効果)』の情報により、
「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」を理解させる提案である。
この提案により上記4つを理解させる方法は以下の通り。
「Environment」「Structure」「Lower Situation」により
「課題(Problem)」を理解させる。
「課題(Problem)」に対して
「Implication(解決する必要性)」を理解させる。
「課題(Problem)」に対して
「機能・用途(解決策)」を理解させる。
「機能・用途(解決策)」に対して
「効果(課題解決による効果)」を理解させる。
つまり、『効果提案』の流れは、
①「Environment」→「Structure」→「Lower Situation」→「課題(Problem)」
②「課題(Problem)」→「Implication(解決する必要性)」
③「課題(Problem)」に対する「機能・用途(解決策)」
④「機能・用途(解決策)」に対する「効果(課題解決による効果)」
そして、一番初めに、結論であるこの提案より実現したいことである
「What to Sell(顧客に提供する価値)」を入れる。
つまり、提案のテーマ、目的に「What to Sell(顧客に提供する価値)」を入れる。
たとえば、前述のタブレットの例では、
はじめのテーマは、「What to Sell(顧客に提供する価値)」である
「広域営業に対する新商品の早期提案促進」という課題に対して
「タブレット端末による外出時の商品知識習得環境」により
「新商品の提案スピードの向上からシェアの拡大の実現」
をもとに作成。
※上記「What to Sell(顧客に提供する価値)」を端的かつわかりやすく表現
そして、提案内容は以下の流れで作成。
①-(1) 商品のライフサイクルが早い、競争が激しい(Environment)
・-(2) 営業は広域の顧客を担当、売上UPには新商品の提案が不可欠(Structure)
・-(3) 営業はほとんど外出で社内にいない、新商品のレクチャーができない(Lower Situation)
・-(4) 外出時に新商品知識をつけられる環境(課題(Problem))
②上記①-(4)に対し、新商品の知識習得が遅れると顧客への提案が遅れ、競合他社にシェアを奪われる
・(Implication)
③上記①-(4)に対し、タブレット端末で・・・
・・・・新商品の説明資料を動画で配信
・・・・商品企画がリアルタイムに質問・相談を受ける窓口を設置
・・・・営業がすぐに新商品知識をつける(用途)
④上記③によって・・・
・・・・新商品リリース後すぐに顧客への提案を進められる
・・・・競合より先行して新商品の拡販を進めシェアを獲得できる(効果)
このように、
「Environment」「Structure」「Lower Situation」から「課題(Problem)」を理解させ
「課題(Problem)」に対して「Implication(解決する必要性)」を理解させ
「課題(Problem)」に対して「機能・用途(解決策)」を理解させ
「機能・用途(解決策)」に対して「効果(課題解決による効果)」を理解させる
という流れで『効果提案』を作成し提案することで顧客に課題解決を検討させることができる。
【実践するためのPOINT】
●『効果提案』を作成する順番は以下の通り。
・・・①提案内容と提案の全体像を検討「何を提案するか」
・・・②提案の流れを検討「提案書のページの順番」※前述のタブレットの提案の流れ
・・・③それぞれのページに必要な情報を収集
・・・④提案書を作成(個別ページの作成)
・・・※いきなり個別ページの作成から提案書を作成するケースが多く見受けられるが、
・・・・この場合、落としどころ(目的)がぼやけ、提案内容がずれてしまうことがある。
●それぞれの情報は顧客に合わせて極力具体的に表現する。
・・・顧客の商品名や組織・拠点名、数量・件数、業務内容など具体的な言葉・情報を入れる。
・・・※抽象的な表現や一般論は顧客にとって単なる参考情報にしかならず、課題や解決する必要性などを
・・・・理解させる提案にはならない。(顧客にとっては他人事になってしまう)
効果提案で考慮すべきこと
【解説】
前述のとおり『効果提案』は、
「Environment」「Structure」「Lower Situation」から「課題(Problem)」
「課題(Problem)」に対して「Implication(解決する必要性)」
「課題(Problem)」に対して「機能・用途(解決策)」
「機能・用途(解決策)」に対して「効果(課題解決による効果)」
をまとめ提案することにより、
「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」を理解させ
顧客に課題解決を検討させる提案である。
ただし、顧客(顧客担当者)が
「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」を
理解しただけでは検討できない。
検討させるためには、顧客分析の10項目の「調整項目」と「比較項目」を考慮し
提案を作成する必要がある。
※営業の教科書「顧客分析の10項目」参照
まず、顧客分析の10項目の「調整項目」に対して・・・
・「決裁者」「関係者」が前向きに検討するか?
・「予算」をとれそうか?
・「時期や計画」が合いそうか?
・「現状への影響(業務等への影響)」はどうか?
・会社の「方針や戦略」と合っているか?
この段階は顧客の検討が具体化する前(検討する前)であるため、
この「調整項目」に対して具体的にまとめなくても良いが(提案書に記載しなくても良いが)
以下の点を考慮して提案をまとめる必要がある。
・調整項目に対してマイナスにならない。
・調整項目に対しプラスになる。
そして、顧客分析の10項目の「比較項目」に対して、
・「競合」と比較して訴求する提案課題と解決策が優位に立てるか?
・「代替案」と比較して訴求する提案課題と解決策と効果が優位に立てるか?
案件が具体化(顧客の検討が具体化)した際には、競合商品や代替案と比較されることが多い。
そして、案件が具体化(顧客の検討が具体化)した段階では、
顧客の検討している課題に対する商品の適合性の優劣(商品力のみ)で決まってしまう。
(商品の適合性の優劣の差が小さい場合は価格で決まってしまう)
つまり、案件が具体化(顧客の検討が具体化)した段階では商品力、
または価格力に依存するしかなくなる。
しかし、案件が具体化(顧客の検討が具体化)する前の『効果提案』の段階では、
競合と比較した自社商品の優劣に合わせた課題を訴求することが可能であり、
検討が具体化した段階で競合に対し有利に進めることができる。
※一般的に顧客が競合と比較するという段階になってから競合対策を検討しているケースが多いが、
・営業プロセスの早い段階(顧客の検討が具体化する前)に検討した方が有利に立てる。
つまり、有効な『効果提案』とは、
「調整項目」と「比較項目」を考慮した
『課題の5段構造(ESLPIプロセス)』と『商品価値の基本構造』の情報による
「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」の提案である。
【実践するためのPOINT】
●この「調整項目」「比較項目」を考慮した有効な『効果提案』にするためには、
・以下の手順で作成する。
・・①提案内容の検討
・・・・『課題の5段構造(ESLPIプロセス)』と『商品価値の基本構造』の情報により
・・・・「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」
・・・・に関する提案内容を検討。
・・②「調整項目」の情報を洗い出す。
・・・・※「顧客分析の10項目」参照
・・③「比較項目」の情報を洗い出す。
・・・・(1)競合商品(競合になりうる可能性がある商品)と比較する。
・・・・(2)顧客の課題が(1)の競合商品との差が有利か否かを確認。
・・・・(3)有利でない場合は、有利な課題やテーマを検討する。
・・・・※競合商品が全く読めない場合は、自社商品の強み、弱みから考える。
・・④上記①で検討した提案内容に対し②③を考慮し提案書を作成する。
前述のとおり『効果提案』は、
「Environment」「Structure」「Lower Situation」から「課題(Problem)」
「課題(Problem)」に対して「Implication(解決する必要性)」
「課題(Problem)」に対して「機能・用途(解決策)」
「機能・用途(解決策)」に対して「効果(課題解決による効果)」
をまとめ提案することにより、
「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」を理解させ
顧客に課題解決を検討させる提案である。
ただし、顧客(顧客担当者)が
「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」を
理解しただけでは検討できない。
検討させるためには、顧客分析の10項目の「調整項目」と「比較項目」を考慮し
提案を作成する必要がある。
※営業の教科書「顧客分析の10項目」参照
まず、顧客分析の10項目の「調整項目」に対して・・・
・「決裁者」「関係者」が前向きに検討するか?
・「予算」をとれそうか?
・「時期や計画」が合いそうか?
・「現状への影響(業務等への影響)」はどうか?
・会社の「方針や戦略」と合っているか?
この段階は顧客の検討が具体化する前(検討する前)であるため、
この「調整項目」に対して具体的にまとめなくても良いが(提案書に記載しなくても良いが)
以下の点を考慮して提案をまとめる必要がある。
・調整項目に対してマイナスにならない。
・調整項目に対しプラスになる。
そして、顧客分析の10項目の「比較項目」に対して、
・「競合」と比較して訴求する提案課題と解決策が優位に立てるか?
・「代替案」と比較して訴求する提案課題と解決策と効果が優位に立てるか?
案件が具体化(顧客の検討が具体化)した際には、競合商品や代替案と比較されることが多い。
そして、案件が具体化(顧客の検討が具体化)した段階では、
顧客の検討している課題に対する商品の適合性の優劣(商品力のみ)で決まってしまう。
(商品の適合性の優劣の差が小さい場合は価格で決まってしまう)
つまり、案件が具体化(顧客の検討が具体化)した段階では商品力、
または価格力に依存するしかなくなる。
しかし、案件が具体化(顧客の検討が具体化)する前の『効果提案』の段階では、
競合と比較した自社商品の優劣に合わせた課題を訴求することが可能であり、
検討が具体化した段階で競合に対し有利に進めることができる。
※一般的に顧客が競合と比較するという段階になってから競合対策を検討しているケースが多いが、
・営業プロセスの早い段階(顧客の検討が具体化する前)に検討した方が有利に立てる。
つまり、有効な『効果提案』とは、
「調整項目」と「比較項目」を考慮した
『課題の5段構造(ESLPIプロセス)』と『商品価値の基本構造』の情報による
「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」の提案である。
【実践するためのPOINT】
●この「調整項目」「比較項目」を考慮した有効な『効果提案』にするためには、
・以下の手順で作成する。
・・①提案内容の検討
・・・・『課題の5段構造(ESLPIプロセス)』と『商品価値の基本構造』の情報により
・・・・「課題」「解決する必要性」「解決できる可能性」「課題解決による効果」
・・・・に関する提案内容を検討。
・・②「調整項目」の情報を洗い出す。
・・・・※「顧客分析の10項目」参照
・・③「比較項目」の情報を洗い出す。
・・・・(1)競合商品(競合になりうる可能性がある商品)と比較する。
・・・・(2)顧客の課題が(1)の競合商品との差が有利か否かを確認。
・・・・(3)有利でない場合は、有利な課題やテーマを検討する。
・・・・※競合商品が全く読めない場合は、自社商品の強み、弱みから考える。
・・④上記①で検討した提案内容に対し②③を考慮し提案書を作成する。